バナナボートという歌をご存知ですか。ハリー・ベラフォンテの楽曲『バナナ・ボート』をカバーした浜村美智子のヒット作(1957年)を通常は指します。「デーオ、デェェーオ」という叫び声で始まる歌は、今も懐メロなどで聴いたことがあるとおもいます。
え? ご存じないですか。
ご存じない方は、まず何より歌を聴いてください。
バナナボート 浜村美智子
浜村美智子 ビクターレコード A-5219
アタウェー訳詩 ベラフォンテ作曲 井田誠一作詞 寺岡真三編曲 ブライト、リズムボーイズ ビクター、オール、スターズ
ジャマイカの荷役労働者が、バナナを船に積むときに自らを鼓舞したり仲間との連帯を確認したりする意味で歌う労働歌をもとに作らました。
この歌は、さらに70年代に、ゴールデン・ハーフで大幅リメイクでリリースし直したので、それをきっかけにこの歌を知った方も多いのではないでしょうか。
実は浜村美智子のバナナボートそのものがリメイクなんですね。
1957年にリリースされたハリー・ベラフォンテ(アメリカ)の”Day-O (Banana Boat Song)”をカヴァーしています。
だから「デーオー」という歌いだしで始まるんですね。まさに「デーオー」こそが、ジャマイカのバナナ運びの荷揚げ労働 者の声なのです。
「もうじき日が昇るねえ。tally man(伝票をつける人)よ、バナナを数えてくれ」という歌いだしなんですね。
このバナナボートで浜村美智子は”カリプソ娘”として一世を風靡。
ハスキー・ヴォイスで自らのポジションを確立しました。
この歌は、さらに70年代に、ゴールデン・ハーフというグループがカヴァー、というより大幅リメイクでリリースし直したので、それをきっかけにこの歌を知った方も多いのではないでしょうか。
元祖ハスキーボイス
ハスキーボイスというと、のちに森進一、青江三奈などがそう呼ばれましたが、それとも違いますね。
さらに、70年代には平山三紀(現平山みき)もそう呼ばれましたが、彼女のはどちらかというと、魔法使いの老婆のようなウヨウヨ声でした。
浜村美智子の「ハスキーボイス」というのは、野性味あふれた歌声ですね。
たしかに、バナナボートを澄んだ声の歌手が歌ったら似合わないですね。ハスキーボーイすは、労働者を表現するにはピッタリです。
みなさん、改めて聴いてください。浜村美智子のバナナボート。