シュガースポットをご存知ですか。シュガーといっても砂糖のことではありません。バナナが時間の経過で成熟し、皮に現れてくる茶色い斑点のことです。糖度が増して甘くなっていることが分かるので、シュガー(甘い)スポット(目印)というのです。
バナナって、買った時は黄色い皮に包まれているのですが、だんだん黒い斑点ができてきますよね。
それはシュガースポットといわれるものです。それが出てい る時は、免疫力を高める栄養素が出ていると以前の記事で述べました。つまり、熟したバナナこそが身体にもいいというわけですね。
ではバナナの中身が黒かったらどうでしょうか。中身というのは、たとえばバナナの芯(真ん中)の部分とか、果肉の一部分です。
実は果肉を黒くしているのはタンニンといわれるものです。
化学的にいえば、フェノール性ヒドロキシ基を持つ複雑な芳香族化合物のこと。
日本茶の渋み、あり ますよね。アレがタンニンです。
果肉の一部が腐ったように黒くなっている場合
そういえば、バナナにも渋みがあったなあ、と思い出していただけましたか。
そうなんです。ポリフェノールの一種です。
バナナの芯の部分が黒くなっているということは、バナナの先端部分が受精後に硬く閉じ、タンニンが多くなって果肉の芯の部分まで黒くなってしまうのです。
結論からいうと食べても問題はありません。
では、果肉の一部が腐ったように黒くなっている場合はどうでしょうか。
これは、おそらくは梱包や輸送などの際、ぶつかったりゆれたりして果肉の細胞壁が壊 れ、タンニンが酸化酵素と反応して黒くなっているのです。
果物のポリフェノール類というのは、往々にして外敵用なのですが、自分で自分の果肉を痛めつけて しまうのですね。
まあこれも毒ではありません。
気になるのでしたら、その部分をつまんでとって、残りの部分を食せばいいのではないでしょうか。