バナナの世界史ー歴史を変えた果物の数奇な運命(太田出版)がバナナはあと20年ほどで絶滅するかもしれないなど指摘

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バナナの世界史ー歴史を変えた果物の数奇な運命(太田出版)がバナナはあと20年ほどで絶滅するかもしれないなど指摘

「バナナの世界史ー歴史を変えた果物の数奇な運命」(太田出版)を読みました。このサイトでは、これまでさんざんバナナについて書いてきましたが、あまり 市場や政治的な話は書きませんでした。

「バナナの世界史ー歴史を変えた果物の数奇な運命」には、そのちょっと込み入った話が書かれているのです。バナナ ファンなら必読の一冊です。



 バナナは、世界中でもっともポピラリティのあるくだものといっていいでしょう。

ところが、それがもし、絶滅の危機 に瀕してるといわれたら、あなたはどうしますか。

それがこの「バナナの世界史ー歴史を変えた果物の数奇な運命」の主題です。

バナナはあと20年ほどで絶滅 するかもしれない、と同書では本当に書いているのです。

バナナは種をつくらないため、苗である挿し木はクローンで作るので、それがひとつ疫病にやられるようなことがあれば、他のものまでばたばたやられてしまう という根拠です。

工業的な生産体制が、自然にかなうものか、という疑念が確かにそこにあります。


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バナナと経済的収奪の問題

今世紀の初め頃にやはりグロスミッチェルが全滅する前にか ろうじて今のキャベンディッシュが出たのです。

いまやチキータ、ドールといった巨大バナナ産業のアメリカ大企業によって、バナナ労務につく労働者に対する搾取や、病気のリスクを抱えた人工的栽培など、中南米諸国の収奪の問題を抱えているというのです。

農産物の輸出に頼ってきた貧しい国と国民をアメリカの大企業が収奪した。

この記事では、安くて甘いフィリピンバナナは多国籍企業の暗躍があることを述べました。

バナナと日本人ーフィリピン農園と食卓のあいだ (岩波新書) という鶴見良行氏の書いた本があります。安くて甘いバナナは、多国籍企業の暗躍、農園労働者の貧苦、さらに明治以来の日本と東南アジアの歪んだ関係があると書かれている衝撃の図書です。

バナナはそんな暗黒の歴史を負っているのです。

要するに、昨今盛んに言われているグローバリズムなるアメリカ覇権主義がバナナをダメにしてしまうという厳しい話です。

人類とバナナの闘いの話なのです。

詳しくはご一読ください。

バナナの世界史――歴史を変えた果物の数奇な運命 (ヒストリカル・スタディーズ)
バナナの世界史――歴史を変えた果物の数奇な運命 (ヒストリカル・スタディーズ)


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